デンタルフロス
毎日、暑いでござる。
皆さんに暑中お見舞いを申し上げよう。
さて、これは、母サン愛用のデンタルフロス。
そして、これは俺様の愛用のデンタルフロス。
この紐を引っ張るとカーテンが上がっていくのだ。
ただ、とんでもない粗悪品だ。
俺が歯をギシギシとやると、すぐに切れてしまうんだ。
「噛まないでおくれよ、テンスケ」って母サンは言う。
俺様のデンタルフロスを、俺様が使って何が悪い!
切れたデンタルフロスを母サンは結ぶんだ。
そうしないとカーテンが開かないらしい。
ただ結び目があると、カーテンはうまく上がっていかない。
切れた場所によっては紐が結べないこともあるらしい。
その結果、カーテンはこんな風になる。
リビング。
寝室。
仕方がないから、母サンは洗濯バサミでこうする。
chibininnさんちのミスティさんが、おもちゃの紐を飲み込んでしまったというのだ。
「マジで~!?」
それを聞いた母サンは言った。
「テンスケ、お前もカーテンの紐を飲み込んでない?」
って俺に聞く。
それは答えてやってもいいけど、母サンは頭が悪いから、どうせ俺の言葉なんて理解できないだろ。
言うだけムダ。
ムダなことはしない主義。
ところが、ミスティ事件を聞いた母サンは一大決心をしたようだ。
「洗濯バサミでたくし上げてる場合じゃないわ」
そして。
カーテンが取り替えられた。
今度のやつは紐を引っ張って上げるんじゃなくて、ロールカーテンっていうらしくて、下に軽く引っ張って手を放すと自動で巻き上がっていくタイプ。
いや、待て。
あった!
ただ、心優しい俺様は、今度のデンタルフロスは当面使わないことにした。
というのも、今度のカーテンはこの紐を下に引っ張って、カーテンを引き下ろすんだ。
背が低い母サンは、この紐がないとカーテンが引っ張れないんだ。カーテンが閉められないってこと。
母サン、俺の温情に感謝するように。
だが、今後ぞんざいな振る舞いがあれば、その時はカーテンが閉められなくなると覚悟したまえ。